高齢化の進行によって高齢者の口から聞く機会が増えているのが「わたしはまだまだ若い」という言葉です。実際にとても元気に見える高齢者も増えているわけですが、高齢者の方たちは自身の健康状態についてどう捉えているのか?この点からアプローチしたさまざまなデータもあります。

まず、シンプルなアンケートとして「自分の健康状態を良いと思うか」という問いに対する調査結果があります。このデータによると、80歳以上の人で「良い」と返答した人の割合が49.5パーセント、75~79歳だと51パーセント。半数以上の人が「良い健康状態にある」と見ています。一方「良くない」と答えた人は、80歳以上で28.9パーセント、75~79歳で26.2パーセントとなっています。半数の人が健康状態が良いと考えている一方で、3~4人に一人が良くないと回答。これが、現在の高齢者の健康状態の実態を知る上で、ひとつの目安となるでしょう。

では、健康を維持するために高齢者は日頃からどんな取り組みをしているのでしょうか?この点に関する調査も行われており、75歳以上を対象にしたあるデータでは「栄養バランスを意識した食生活を送るよう心がけている」と答えた人が全体の6割に達しました。次に多かったのが、健康診断を定期的に受けるでした。それに対して「地域の活動に参加する」と答えた人は全体の2割程度、「趣味を持つ」と答えた人が4割強ほど。体の健康に対して、心の健康のための取り組みがあまり行われていない傾向も明らかになっています。この点が、今後高齢者が健康的な生活を送れる環境づくりを目指す上でのひとつの指針になりそうです。